四気質説とは?占星術との関係についても解説!

心理学の歴史を勉強していると、初めのほうに登場する四気質説。

四気質説は占星術とも対応しているところがあるのです!

今回はそんな四気質説について広く浅く簡潔にまとめてみました。

四気質説とは? 簡単に

その人の気質(性格)は、四体液の偏りによって決まる。

これが四体液説(を簡単にまとめすぎた文)です。

もっと詳しく!という方のためにあるのがこのブログですから、安心してついてきてください。

四気質説とは?

成り立ち

四気質説は四体液説を基に、ガレノスが提唱しました。

四体液説は、血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁の4つの体液のバランスが健康を左右するという説です。   

この四体液説と四気質説は密接に関係しており、四体液説を知っている人なら、すんなり理解できると思います。

何なら、四体液説に四気質説を上書き保存したようなイメージです。

四体液説を知っていたほうが楽しいと思うので、より詳しい四体液説の話はこちらから 四体液説とは?

ガレノスは古代ローマの名医師と呼ばれ、医学の発展に大いに貢献しました。

初めて聞いた!どんな人か知りたい! はい、どうぞ! ガレノスとは?

それでは四気質説の説明本編に入りましょう。

概要

もともとあった四体液説の四体液(血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁)それぞれに、ガレノスが性格を当てはめます。

  • 血液が多い人⇒多血質
  • 粘液が多い人⇒粘液質
  • 黄胆汁が多い人⇒胆汁質(黄胆汁質)
  • 黒胆汁が多い人⇒憂鬱質(黒胆汁質)

このように、四体液のうち○○が多いと△△質のなるという風になってます。

四体液のバランスに偏りが生じていると、その体液がその人の気質に関係してくるということですね。

では、それぞれの気質はどんな性格を表すのでしょうか。自分はどの気質に当てはまるか探してみるのも面白そうですね。

気質は一生変わらないの?

実は、気質は生まれてからずっと同じ、というわけではないのです。四体液説での病気の扱いと同じで、環境・生活習慣・食事で体液バランスが変わるように、気質も変わっていきます。高校生の時は多血質だったのに、会社に入ったら粘液質になったということもあるのです。つまり、自分の力で変えることもできるわけです。

多血質

4つの体液のうち、血液が優位(=多い)だと「多血質」に分類されます。

性格

簡単に言うと楽観的で、社交的で、陽気な人です。主な性格をリストにしてみました。

  • 楽観的
  • 社交的
  • 陽気
  • 愛好家
  • ずうずうしい
  • 高慢(自信がありすぎる)
  • 計画性がない
  • 心変わりしやすい
高慢と傲慢の違いは?

高慢は、自信過剰で自己中心的なところがあるという意味です。しかし、傲慢は自信がありすぎて人を見下す態度に近いです。傲慢は高慢より、たちが悪いニュアンスで使います。

趣味趣向としては娯楽好きで、教養とは無縁だとされていますw。

また、好色な性格を持っているとも言われます。

好色とは?

異性に対して強い興味を持つことです。

見た目・体質

筋肉質で、肌にはぬくもりと弾力があるとされています。体質についてもリストにしてみました。

  • たくましい
  • 脈が規則的
  • 胃が丈夫
  • 睡眠の悩みがない

  • 舌が乾く
  • 太りやすい風邪をひきやすい(関節痛、頭痛、歯痛の症状)

多血質の人は「熱・乾」の性質を持っているので、熱くて湿っている環境にいるとバランスが崩れて、以上のような風邪の症状が悪化します。

粘液質

四体液のうち粘液が多いと「粘液質」という気質になります。

性格

冷静沈着で公平な性格だと言われています。主な性格をリストにしてみます。

  • 冷静
  • 安定している
  • 忍耐強い
  • 穏やか

  • 精神的に鈍感
  • 優柔不断
  • 臆病
  • 受動的

粘液が多いので唾が出やすいとも言われます。

「のんき」という言葉が粘液のPhlegmaticの由来になっているらしいです。

見た目・体質

太り気味で冷たく湿った肌をしています。こちらもリストにしてみます。

  • 背が低い
  • 運動と努力、変化が嫌い
  • 血の気の無い肌
  • 脈が弱い
  • 胃弱
  • 口臭が強い

  • 貧血
  • 腺病
  • 鼻風邪
  • 耳鳴り、難聴

鼻水も唾も粘液に分類されるので、過剰だと体の外に出そうとするんですね。

胆汁質、黄胆汁質

四体液のうち、黄胆汁が多いと胆汁質という気質になります。

胆汁質と黄胆汁質の違いは?

混乱を招く表記ですみません、まったく同じ意味なので安心してください。黄胆汁が多いから黄胆汁質というと四体液説に忠実でわかりやすいですよね。ここで胆汁質と憂鬱質(黒胆汁質と意味が同じ)を使うのは、四気質説を扱うブログなので正確に焦点を当てているからです。

性格

一言で言うと、情熱的でリーダーシップがあります。他の特徴をリストにまとめてみます。

  • 決断力がある
  • 行動的
  • 気前がいい
  • 熱血漢

  • 短気
  • 怒りっぽい
  • 気難しい
  • 支配的

見た目・体質

  • 脈が速い
  • やせ型
  • 黄色く、温かい乾燥した肌
  • 硬くて乾いた乏しい筋肉

ここまで見てきたように、肌の感じはその体液の性質と同じですね。

  • 心臓に負担をかけやすい
  • 張り切りすぎで肝臓・腎臓疾患
  • 発熱等、急な体調変化に弱い

憂鬱質、黒胆汁質

四体液のうち黒胆汁が多いと「憂鬱質」に分類される性格になります。

ほかの気質の名前より直接的で、意味する性格がわかりやすいですね。

性格

名前の通り、憂鬱な気分になりやすい性格です。もちろんほかにもこんな性格が挙げられます。

  • 思慮深い
  • 慎重
  • 詩的
  • 創造的
  • 勤勉

  • 憂鬱
  • 心配性
  • 悲観的
  • 運動、休養、社交を好まない
  • 神経質

他にも、自殺傾向があるなど悪いイメージでとらえられることが多いです。

「精神錯乱と天才の体液」とも言われています。

見た目・体質

  • やせ細っている
  • 青白い肌
  • 脈が遅い
  • 耳が遠い
  • 食欲の上下がある

  • 欠尿症
  • 胃腸の不調
  • うつ病

現代におけるメランコリー(melancholy)という言葉も黒胆汁からきています。

ギリシア語の「melas(黒い)」と「chole(胆汁)」で黒胆汁です。

メランコリー病というものもあり、これはうつ病や抑うつ状態のことを指します。

四気質説と医療占星術

医療占星術とは?

医療占星術は、人体が宇宙全体と調和しているという世界観に基づいた占星術の考え方です。

太陽が大宇宙の中心、心臓が小宇宙(身体)の中心(熱の源)として考えられていました。

四体液説の提唱者であり、医学の父とも呼ばれるヒポクラテスは「医者は星々に注意を払わなくてはいけない」と述べています。

天体の動きが人体に影響を与え、体液のバランスを変えると信じられていたのです。

ですから、四気質説と占星術は深い関係にあります。

その人が生まれたときの天体の配置から、今後の病気と気質、治療法について知ることができるのです。

四体液ごとの占星術の関係もまとめてみますね。

四体液と星々

血液は「木星」と対応しています。

木星は成長と拡大を象徴するため、多血質の楽天的で社交を好む性格と合っていますね。

対応する星座は「双子座」「天秤座」「水瓶座」です。

これらは、「風の星座」であり、四元素説の「空気(風)」と対応する血液にぴったりです。

ちなみに…この辺りは文献によって多少の誤差があるので、お好みな説を参照してくださいw

(僕はこれが好きです!)

粘液は「月」に対応しています。

ちなみに、他の体液は惑星に対応しているのに対し、粘液だけ衛星の月に対応しています。

これは、月が感情や直感、家庭生活を象徴しており、内向的で穏やかな粘液質の性格にマッチしてるからです。

粘液は四元素説の「水」に対応しているため、「水の星座」に対応しています。

水の星座は「蟹座」「蠍座」「魚座」です。

黄胆汁は「火星」に対応しています。

熱くて乾燥している惑星と言えば火星ですよね。

火星は戦争や行動、エネルギーを象徴しているため、行動的でエネルギッシュな胆汁質の性格に合っているのがわかります。

黄胆汁は四元素説の「火」に対応しているため、火の星座に対応しています。

「牡羊座」「獅子座」「射手座」が火の星座です。

黒胆汁は制約、抑圧、孤独を象徴する「土星」に対応します。

黒胆汁質は憂鬱質と言われるように、抑うつ的で悲観的な性格にぴったりな惑星ですね。

なんで土星は悪いイメージなの?

ローマ神話で土星はサトゥルヌスとして知られ、農業の神ではあるものの、同時に暴力と混沌の象徴でもあります。だから黒胆汁と土星が対応しているわけです。

黒胆汁は四元素説の「土」に対応しているので、対応する星座も「土の星座」です。

「牡牛座」「乙女座」「山羊座」の3つが土の星座に分類されます。

四気質説と他分野の対応表

四気質説は他にもいろいろなものに対応しています。

4つのまとまりと言えば何が思い浮かびますか?

実は四気質説、「四季」「方位」とも関係しています!

また、「人の年齢」と「臓器」にも関係してます。

  • 血液…「春」「東」「幼少期」「心臓」
  • 粘液…「冬」「北」「老年期」「脳・肺」
  • 黄胆汁…「夏」「南」「青年期」「肝臓」
  • 黒胆汁…「秋」「西」「壮年期」「脾臓」
壮年期って何歳?

幼少期…0~14、青年期…15~30、壮年期…31~60、老年期…60歳以上。という風に、一生のある時期に優位になりやすい体液が割り振られています。

なんで黄胆汁は肝臓に対応するの?

黄胆汁は、消化の熱が過剰な時に生成されます。その場所がずばり「肝臓」なのです。ちなみに、黄胆汁は肝臓で生成された後に、脾臓で黒胆汁になったりならなかったりするので、黒胆汁が脾臓に対応するわけです。また、血液は心臓から、粘液は脳と肺から生成されると考えられていました。それぞれ生成される臓器に対応しているのですね。

こうしてみてみると、血液→黄胆汁→黒胆汁→粘液の順番が時の流れに沿っているのがわかりますね。(春夏秋冬、太陽は東から南へ、子供から老年へ)

ここまで、多くの分野と四体液の対応を伝えましたが、多すぎて分かりにくいですよね。

ここで、簡単にですが表にまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください!(順番は紹介順ではなく、時の流れに合わせて血液→黄胆汁→黒胆汁→粘液の順です。)

体液気質性質元素星座季節方位年齢臓器
血液多血質熱・湿空気木星双子座
天秤座
水瓶座
幼少期心臓
黄胆汁胆汁質熱・乾火星牡羊座
獅子座
射手座
青年期肝臓
黒胆汁憂鬱質冷・乾土星牡牛座
乙女座
山羊座
西壮年期脾臓
粘液粘液質冷・湿蟹座
蠍座
魚座
老年期脳・肺

四気質説とは? まとめ

四気質説について、様々な関係を明らかにしてきました!いかがでしたか?

季節、生活習慣、環境…様々な影響で私たちの心のバランスは変わっていくということですね。

ついカッとなって怒ってしまったり、必要以上に落ち込んでしまったり…

そんな時こそ、一緒にアイスを食べたり湯船につかったりして、心と体のバランスをとっていきましょう。

大丈夫、感情の起伏はいつ誰にでもあること。時間とともにあなたらしいバランスも変わってきます。

深く悩まず、人生のバランスを少しずつ変えていきましょう。

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