自分軸・他人軸とは?自分の意思で生きる方法を解説(パート2_最新最強最高の決断術)

メンタルヘルス

こんにちはキセキです!今回は前回に引き続き、自分軸と他人軸について解説していきます。

どうやれば自分軸が手に入るの? いいえ、自分軸を手に入れてはいけないのです。

「!?」って方は、これから一緒に自分にも他人にも振り回されない自分なり軸を見つけていきましょうあ!

基本的な心理的ニーズ

自己決定理論(Self-Determination Theory, SDT)は、エドワード・デシ(Edward L. Deci)とリチャード・ライアン(Richard M. Ryan)によって1985年に提唱された理論です。

ここで言う自分軸は「内発的動機づけ」、他人軸は「外発的動機づけ」です。

個人の「基本的な心理的ニーズ」を満たすかどうかが、内発的動機づけの維持や外発的動機づけの内面化に大きく影響します。

ではその「基本的な心理的ニーズ」とは何なのか見ていきましょう。

1. 自律性(じりつせい)

  • 必要性
    自律性は、個人が自分自身で行動を選択し、コントロールできる感覚を指します。RyanとDeci(ライアン & デシ, 2000)の自己決定理論では、自律性が満たされることで内発的動機づけが高まり、幸福感とパフォーマンスが向上するとされています。
    • 背景情報: この研究はアメリカ合衆国で大学生300名を対象に実施されました。参加者は自律性が高い環境(例:選択肢が多い授業)と低い環境(例:指示が厳しい授業)で比較されました。
  • 影響
    Šakanら(シャカン et al., 2020)の調査では、965人を対象に自律性と幸福感の関連性を分析しました。調査結果では、自律性満足度が幸福感の59%の変動を説明しており、自律性が重要な要素であることが確認されています。
    • 具体的数値: 自律性スコアが1ポイント上昇すると、幸福度スコアは平均で0.45ポイント上昇しました。

自分で自分をコントロールできているという感覚(自律性)が人生の幸福度に直結しているんですね。

2. 有能感(ゆうのうかん)

  • 必要性
    有能感は「自分には能力がある」と感じることです。Cerasoliら(セラソリ et al., 2016)のメタアナリシスでは、有能感が満たされることで自己効力感が高まり、挑戦への意欲が増加するとされています。この分析には30件以上の研究データ(参加者総数:約10,000人)が含まれています。
  • 影響
    WangwongwirojとBumrabphan(ワンウォンウィロジ & ブムラプファン, 2021)の高校生206人を対象とした調査では、有能感と内発的動機づけとの間に強い相関(相関係数 r=0.6r=0.6
    )が見られました。有能感が不足すると自己評価が低下し、新しい挑戦を避ける傾向があります。

自分にはこれを達成できるだけの能力があると思うことは大切なことなんですね。

人に言われてやるよりも、自分ならできる!と思って取り組んだほうが自己コントロール感にもつながりますよね。

3. 関係性(かんけいせい)

  • 必要性
    関係性は他者とのつながりや絆を感じることです。Reisら(ライス et al., 2000)の研究では、人間関係が日々の幸福感に大きく影響することが示されています。この研究はアメリカで成人150名を対象に実施されました。
  • 影響
    人間関係が満たされない場合、孤独感や疎外感につながります。Holt-Lunstadら(ホルト=ランスタッド et al., 2010)のメタアナリシスでは、孤独は喫煙や肥満と同等以上に健康リスクとなり得ることが報告されています。

このことから、自分軸を優先しすぎて人間関係をおろそかにすると、健康にも悪影響を及ぼすことがわかります。

自分一人で努力できるのは素晴らしいことですが、まわりに頼り頼られる人間関係があることは、挑戦時のメンタルにもいいのです。

アドラー心理学から考える「自分軸」と「他人軸」

アメリカの心理学者アルフレッド・アドラーさんをご存じですか?

「人間の悩みはすべて人間関係の悩みである」という名言を残した方です。

アドラー心理学(個人心理学)は、「課題の分離」や「共同体感覚」といった概念を通じて、個人の幸福や社会的つながりを深く考察しています。

これらの概念をもとに、自分軸と他人軸について考えてみましょう。

1. 課題の分離と自分軸・他人軸

課題の分離とは

アドラー心理学における「課題の分離」は、他者の課題と自分の課題を明確に区別することを指します。

たとえば、他人が自分をどう思うかは「他人の課題」であり、それをコントロールしようとする必要はありません。

この考え方は、自分の行動や選択に責任を持つ「自分軸」を育む基盤となります。

研究から見る影響

Šakanら(シャカン et al., 2020)の研究では、自律性(自分で選択し行動する感覚)が幸福感に与える影響が大きいことが示されています。

この研究では、965名を対象に調査が行われ、自律性が幸福感の59%の変動を説明することが確認されました。

課題の分離は、この自律性を高めるために重要な役割を果たします。

実生活への応用

  • 他人の評価や期待に過度に依存せず、自分で決断する習慣を持つ。
  • 他者の課題に介入しすぎず、適切な境界線を保つ。

2. 共同体感覚と自分軸・他人軸

共同体感覚とは

アドラー心理学では、共同体感覚(Social Interest)は、他者とのつながりや社会への貢献意識を指します。

この感覚は、自己中心的な視点(極端な自分軸)から脱却し、他者との協力関係(健全な他人軸)を築く基盤となります。

研究から見る影響

2017年に行われた調査(JMOOC受講生979名対象)では、共同体感覚が主観的幸福感に強く関連していることが示されました。

この研究では、「交友」「家族」「パートナー」などのライフタスクへの満足度が幸福感を高める要因として特に重要であることが確認されています。

たとえば、「交友」の満足度が主観的幸福感に与える標準偏回帰係数は有意であり、共同体感覚が幸福感向上に寄与することが統計的にも裏付けられました。

標準偏回帰係数

複数の説明変数が目的変数に与える影響の大きさを比較するための統計指標です。係数の絶対値が大きいほど、その変数の影響が強いことを示します。標準偏回帰係数が高い理由は、その変数が目的変数に対して強い影響力を持っていることを示します。

実生活への応用

  • 他者との良好な関係を築くために、相手への共感やサポートを意識する。
  • 社会貢献活動やボランティアなどで共同体への参加意識を高める。

3. 自分軸・他人軸との関連性

自分軸

  • 自律性や自己決定力に基づき、自分自身で選択し行動する能力。
  • 課題の分離によって強化される。
  • 極端になると孤立したり、他者との協調性が欠如する可能性もある。

他人軸

  • 他者とのつながりや社会的貢献意識によって形成される。
  • 共同体感覚によって健全な形で育まれる。
  • 極端になると自己喪失やストレス増加につながるリスクもある。

自分なり軸を得るための方法5選

ここまで見てきて、じゃあ結局どっちの軸がいいんだよって方も多いと思います。

はっきり言うと、どっち軸も偏ってはいけないのです。

日本人は他人軸に偏りがちなので、自分軸を持つことに魅力を感じやすいですが、何事もバランスが1番なのです。

そこで、私がお勧めする最強の「自分なり軸」を得る方法を伝授します。

1. 自己認識トレーニング

  • 方法: 構造化された日記法を用いて、毎日15分間自己省察を行う。
  • 研究背景: ペネベーカー & フランシス (Pennebaker & Francis, 1996) がテキサス大学で行った研究では、4日間連続で20分間の表現的な文章を書いた参加者は、3か月後に有意に健康状態が改善し、医療機関への訪問が25%減少しました。
  • 実践手順:
    1. 毎日同じ時間に15分間確保する
    2. その日の出来事、感情、思考を書き出す
    3. 自分の行動が自分軸か他人軸かを分析する
    4. 週に1回、書いた内容を振り返り、パターンを見つける
  • 効果: この方法を6週間続けた参加者の83%が自己理解の向上を報告しました(スミス et al., 2022)。

僕はお風呂に入る前に実践してます。

特に、「今日は自分の意見を出せなかったなあ」って時はこの方法で1日を振り返ります。

人は後悔した時にこそ学ぶ生き物です。

もう全部だめ!ではなく、客観的に分析して少しずつ自分に自信を持つことが大切なのです。

2. 他者視点取り入れ練習

  • 方法: ロールプレイングを用いて、異なる立場や視点を体験的に学ぶ。
  • 研究背景: ガリンスキー & モスコウィッツ (Galinsky & Moskowitz, 2000) のノースウェスタン大学での研究では、他者の視点を取る練習をした参加者は、ステレオタイプの使用が33%減少し、社会的認知能力が向上しました。
  • 実践手順:
    1. 週に1回、30分間のロールプレイセッションを設定
    2. 参加者を2人1組にし、異なる立場の役割を割り当てる
    3. 与えられた状況について、それぞれの立場から議論する
    4. セッション後、感じたことや気づきを共有する
  • 効果: 8週間のプログラムを完了した参加者の91%が、他者理解力の向上を実感しました(ジョンソン et al., 2023)。

私はこれを日常生活に取り入れています。

人間同士ですから意見が異なる場面も多いですよね。

そんな時こそ他人の意見を取り入れる機会だと思ってみてください。

反対意見を聞くことにストレスを感じにくくなりますし、どうしたら納得してくれるだろうと冷静に考えることもできるのです。

3. マインドフルネス瞑想

  • 方法: ボディスキャン瞑想を用いて、現在の瞬間に意識を向ける練習を行う。
  • 研究背景: デイビッドソン et al. (Davidson et al., 2003) のウィスコンシン大学での研究では、8週間のマインドフルネス瞑想プログラムが、左前頭前皮質の活動を増加させ、免疫機能を向上させることが示されました。
  • 実践手順:
    1. 静かな場所で快適な姿勢をとる
    2. 呼吸に意識を向け、体の各部分に注意を向ける
    3. 頭からつま先まで、順番に体の感覚を観察する
    4. 1日10分間、最低6週間継続する
  • 効果: この方法を実践した参加者の78%がストレス軽減を報告し、平均して幸福度スコアが15%向上しました(カバット・ジン, 2003)。
左前頭前皮質の活動

脳の前頭葉にある領域で、高次認知機能、感情制御、意思決定などに関与します。この領域の活動が増加すると、通常、注意力や感情制御能力が向上すると考えられています。

私は寝る前に実践していますし、忘れたときは布団の中でやって気づいたら寝てて朝なんてこともw

呼吸に集中することで副交感神経が活性化し、リラックスできるので、質の高い睡眠にもお勧めです。

4. SMART目標設定

SMART目標設定

効果的な目標設定のための枠組みで、以下の要素を含みます:

  • Specific(具体的):明確で具体的な目標
  • Measurable(測定可能):進捗を数値化できる
  • Achievable(達成可能):現実的に達成できる
  • Relevant(関連性):全体的な目標や価値観と一致している
  • Time-bound(期限付き):達成期限が設定されている

  • 方法: 具体的、測定可能、達成可能、関連性のある、期限付きの目標を設定する。
  • 研究背景: ロック & ラサム (Locke & Latham, 2002) のメリーランド大学での40年にわたる研究では、明確で挑戦的な目標設定が、単に「最善を尽くす」よりも16%高いパフォーマンスをもたらすことが示されました。
  • 実践手順:
    1. 達成したい目標を具体的に書き出す
    2. その目標が測定可能かどうか確認する
    3. 現実的に達成可能かどうか評価する
    4. 自分の価値観や長期的な目標との関連性を確認する
    5. 明確な期限を設定する
  • 効果: SMART目標設定を実践した企業では、従業員の生産性が平均32%向上しました(ドラン, 1981)。

私はテスト前によく実践します。

ここまで細かく計画を練ることで、脳に認知地図を作ることができ、流れるように作業できるので便利です。

5. 心理的柔軟性トレーニング

  • 方法: ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の原則を用いて、思考と行動の柔軟性を高める。
  • 研究背景: ヘイズ et al. (Hayes et al., 2006) のネバダ大学での研究では、ACTを基にしたトレーニングが、うつ症状を56%、不安症状を43%軽減させることが示されました。
  • 実践手順:
    1. 毎日5分間、マインドフルネスの練習を行う
    2. 不快な感情や思考を観察し、それらを判断せずに受け入れる
    3. 自分の価値観に基づいた行動目標を設定する
    4. その目標に向けて小さな一歩を踏み出す
    5. 週に1回、進捗を振り返り、必要に応じて調整する
  • 効果: 12週間のACTベースのプログラムを完了した参加者の87%が、ストレス対処能力の向上を報告しました(ボンド & バンス, 2006)。
ACT

心理的柔軟性を高めることを目的とした心理療法です。主な要素は:

  • Acceptance(受容):否定的な思考や感情をそのまま受け入れる
  • Commitment(コミットメント):価値観に基づいた行動を取る
  • この療法は、思考や感情を変えようとするのではなく、それらを受け入れながら価値ある行動を取ることに焦点を当てます。

私はこのACTに関する書籍を読んで人生が変わりました。

ずっと軸がブレブレでだれの人生かわからなくなっていた僕が、ACTを実践することにより何より大事な「今ここ」に集中できるようになったのです。

自分らしく生きたい人に1番オススメです!

最新研究が証明した5つのトレーニングの効果とは

これらの方法を組み合わせて実践することで、自分軸と他人軸のバランスを効果的に改善できます。

最新の研究(ワン et al., 2024)によれば、これら5つの方法を統合的に実践したグループは、6か月後に幸福度スコアが平均38%向上し、職場でのパフォーマンスが27%改善されました。

手軽にできてここまでの成果が出る方法はなかなかないと思います。

6か月と考えると長く感じるので、まずは今日1日だけ、1つだけでも実践すると意識が変わると思います。

まとめ

今回は、最新最強最高の「自分なり軸の作り方」を解説しました。

自分軸、他人軸の両極端ではうまくいかないもので、何事もバランスが大事なのです。

そして、科学は多くの人に当てはまりますが、すべての人にではありません。

つまり、とにかく試して自分にあったトレーニングを続けていくことが大切です。

トレーニングを完璧にこなしたからと言って、目の前に自分なり軸が現れるわけではないのです。

実践していく中で少しずつ自分の軸が整っていく感覚こそが「自分なり軸」の形成なのです。

皆さんは今、誰の人生を歩んでいますか?

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