こんにちは キセキです!皆さんは、自分軸と他人軸を知っていますか?
日本人は集団行動を大事にしすぎるので、判断軸を他人軸に偏らせてしまう可能性があります。
そこで今回は、自分軸と他人軸の解説と、軸のバランスをとるための方法もご紹介します!
自分軸と他人軸の定義
自分軸と他人軸とは
自分軸
自己決定理論(デシ & ライアン, Deci & Ryan, 1985)によれば、自分軸は「内発的動機づけ」に基づき、自身の価値観や信念に従って行動する姿勢です。
自己決定理論とは?
自己決定理論(Self-Determination Theory, SDT)は、エドワード・デシ(Edward L. Deci)とリチャード・ライアン(Richard M. Ryan)によって1985年に提唱された理論で、人間の動機づけ、発達、健康に関する包括的な枠組みを提供します。動機づけの質を重視し、内発的動機づけを促進するための環境や条件を探求する理論です。この理論は教育、職場、健康管理など、さまざまな分野で応用されており、個人の成長や幸福感を高めるための重要な指針となっています。
例えば、自分が本当に好きな仕事を選ぶことは自分軸に基づいた行動です。
具体例としては「自ら起業して自由なライフスタイルを追求する個人」のような感じです。
他人軸
一方、「外発的動機づけ」に基づく行動であり、他者からの評価や期待に応えることが主な判断基準となります(カッサー & ライアン, Kasser & Ryan, 1996)。
例えば、親や社会から期待されるキャリアパスを選ぶことは他人軸に基づいた行動と言えます。
内発的・外発的動機付けとは?
自己決定理論では、動機づけを内発的動機づけと外発的動機づけに分類します。
- 内発的動機づけ: 行動そのものに興味や楽しさを感じることから生じる動機。例えば、学ぶこと自体が楽しいと感じる場合。
- 外発的動機づけ: 外部の報酬や評価によって動機づけられること。例えば、良い成績を得るために勉強する場合。
内発的動機づけは、学習や創造性、持続的な行動において特に重要であるとされています。

最新研究から見る自分軸と他人軸
文化的背景
マーカス & 北山 (Markus & Kitayama, 1991) の研究では、日本などの集団主義文化では他人軸寄りになりやすい傾向があります。
一方、アメリカなど個人主義文化では自分軸が重視される傾向があります。
日本では文化的にどうしても判断が他人軸寄りになってしまうのですね。

偏りが生む利点と弊害
自分軸に偏り過ぎた場合
利点
- 自己信頼と独自性の向上: デシ & ライアン (Deci & Ryan, 1985) による自己決定理論では、自分軸に基づく行動が内発的動機づけを高め、創造性や問題解決能力が向上することが示されています。例えば、2020年にアメリカで行われたジョンソン et al. (Johnson et al., 2020) による調査では、自分軸が強い人はキャリア満足度が平均20%高いことが報告されました。
- 目標達成力の向上: 自己基準で設定した目標は達成率が高く、幸福感を伴う (シェルドン et al., Sheldon et al., 2004)。
弊害
- 社会的孤立: 他者との協調性が欠けることで孤立しやすい(マーカス & 北山, Markus & Kitayama, 1991)。
- 共感能力の低下: 他人への配慮不足から人間関係が悪化する可能性。
自分軸で生きることは、自分の人生におけるコントロール感覚が生まれるので楽しいでしょうね。
しかし、度が過ぎると社会的に孤立してしまったり、人間関係が悪化したりします。
人には協力しないとできないこともあるので、バランスが大事ですよね。

他人軸に偏り過ぎた場合
利点
- 社会的適応力の向上: 他人軸寄りの行動は集団内での調和や協力関係を築きやすい(マーカス & 北山, Markus & Kitayama, 1991)。
- 外部からの評価向上: 社会的期待に応えることで昇進や成功につながるケースも多い(カッサー & ライアン, Kasser & Ryan, 1996)。
弊害
- 自己喪失感: 他人の期待ばかり気にすることで、自分自身の価値観や目標を見失うリスクがある。
- ストレス増加と精神的不安定: 長期間他人軸に依存するとバーンアウトにつながる可能性がある(カッサー & ライアン, Kasser & Ryan, 1996)。
他人軸側にも利点はあります。
人に合わせたほうが楽ですし、変に別の行動をとってその後の関係にヒビを入れたくないですもんね。
しかし、偏りすぎると精神的なストレスを増幅させる可能性があるのです。

最新研究から見る偏りの影響
スミス et al. (Smith et al., 2022) の調査では、自分軸寄りと他人軸寄りそれぞれに偏ったグループで幸福度スコアを比較しました。
結果、バランス型グループ(自分軸50%、他人軸50%)が最も高い幸福度スコア(平均90/100)を示しました。
一方、自分軸寄りグループは85/100、他人軸寄りグループは65/100という結果でした。
この結果からもわかるように、どちらに偏っていてもよくないのです。
が、やはり他人軸で生きるより自分軸で生きるほうが幸福度が高いですね!

実生活での具体例
- 自分軸寄りすぎた場合:フリーランスとして独立したものの、他者との連携不足でプロジェクト失敗。
- 他人軸寄りすぎた場合:親や社会の期待通りに進路選択した結果、燃え尽き症候群になる。
あるあるだよねって方も、ドキッとした方もいるのではないでしょうか。
では実際、皆さんはどっち側に偏っているのでしょうか。

自分軸・他人軸診断テスト
最新研究に基づく診断テスト
以下は、自己決定理論(デシ & ライアン, Deci & Ryan, 1985)および文化心理学(マーカス & 北山, Markus & Kitayama, 1991)の研究を参考に作成した診断テストです。
各質問に「はい」または「いいえ」で答えてください。
それぞれの点数を合計してみてください。
1~6は「はい」が1ポイント、7~10は「いいえ」が1ポイントです。そうでない場合は0ポイントとして計算してください。

設問
- 自分の意見が多数派と異なる場合でも貫くことができる。(はい1/いいえ0)
- 他者から批判されても自信を持ち続けられる。(はい1/いいえ0)
- 他人からどう思われるかより、自分が納得できる選択を重視する。(はい1/いいえ0)
- 自分で決めた目標達成に喜びを感じる。(はい1/いいえ0)
- 自分自身で決めた行動計画に満足感を覚える。(はい1/いいえ0)
- 他人と意見が対立した場合でも、自分の考えを優先する。(はい1/いいえ0)
- 周囲の期待に応えるため、自分の意思を曲げたことがある。(はい0/いいえ1)
- 他人から褒められることで自分の価値を感じることが多い。(はい0/いいえ1)
- 他人からどう見られるかが常に気になる。(はい0/いいえ1)
- 周囲との調和を保つため、自分の意見を抑えることがある。(はい0/いいえ1)
診断結果
- 自分軸寄り (6~10点)
あなたは自分自身の価値観や信念に従って行動する傾向があります。独立性が高い一方で、他者との協調性には注意が必要です。 - バランス型 (4~5点)
自分軸と他人軸のバランスが取れています。状況に応じて柔軟な対応ができるため、幸福度も高い傾向があります。 - 他人軸寄り (0~3点)
あなたは他者の期待や評価を重視しすぎる傾向があります。自己喪失感やストレスにつながらないよう、自分自身の価値観も大切にしましょう。

まとめ
今回は自分軸と他人軸について解説しました!
次回のブログでよりよい判断軸を手に入れるための方法を解説していきます!
私も以前、他人軸に縛られて進路決定に迷い、メンタルに不調をきたしてしまいました。
その時、周りの人にも迷惑をかけてしまったのを鮮明に覚えています。
だからこそ私は、他人軸に振り回されず、自分の中の価値観に従うように生きる方法を模索し、今では毎日楽しく、何にも縛られずに快適に生活しています。
皆さんの中にも、他人軸に縛られ、苦しんでいる人がいると思います。
次回のブログで、一緒に自分なり軸の人生をスタートさせましょう。